「冷奴」と「睡蓮」の句会2014/07/17 06:28

 10日、台風8号が急ぎ足で、関東地方に近づいていた。 「夏潮」渋谷句会、 私は名ばかりの幹事で、すっかりお世話になっている和子さんから相談があっ たが、ともかくやることにした。 皆さん熱心で、いつもと同じ数のメンバー が集まり、心配した帰途も風雨ともに大したことなく済んだのは、有難かった。  兼題は「冷奴」と「睡蓮」、私はつぎの七句を出した。

白黒の写真の母や冷奴

とつときの二年醤油で冷奴

朴訥な木綿が好きよ冷奴

居酒屋の一味違ふ冷奴

未草(ひつじぐさ)竜棲むといふ山の池

本堂前自慢の睡蓮鉢を据ゑ

睡蓮の葉雨蛙のうてなかな

 私が選句したのは、つぎの七句。

停電の蝋燭の火に冷奴       英

丁稚から聟になほりて冷奴     英

冷奴祭提灯軒に提げ        ひろし

紫蘇茗荷生姜鰹節冷奴       良

睡蓮の白の静かに御内庭      和子

霧流れ睡蓮の池現れる       淳子

風が来て雨の気配のひつじぐさ   耕一

 私の結果は、<白黒の写真の母や冷奴>を英主宰が、<未草竜棲むといふ山 の池>を和子さんと良さん、<本堂前自慢の睡蓮鉢を据ゑ>を幸雄さんが採っ てくれて、主宰選1句、互選3票の計5票と、ちょぼちょぼだった。 主宰は 選評で、一昔前の写真は白黒、仏壇の御遺影ではないか、それをちらりと見て、 自分だけ冷奴で一杯飲み始めている、不思議なくつろぎ、と。