「書初」と「小正月」の句会2008/01/15 09:02

 9日朝日夕刊の「あすの運勢」(松村潔)、おうし座は三ツ星で「笑いの絶え ない楽しい1日」となっていた。 「福澤先生誕生記念会」から帰って、夕方 からは「夏潮」渋谷句会に出かけた。 最近、一日に二つ予定があるというの は、珍しい。 句会後、新年会もある。 兼題は「書初」と「小正月」、これが いざ作ろうとすると、とんでもない難題だった。 実感がまるでなくて、イメ ージが湧いてこない。 「書初」は、子供の頃のことしか思い浮かばない。 「小 正月」にいたっては、手も足も出ない。 ようやく七句ひねり出す。

書初の上手い気になる大字かな

書初や ね の字を掲ぐ得意気に

洗ひをり書初だけの太筆を

書初の署名小さくなり過ぎて

書初や清水貫主吉字書く

だらだらと日を過すうち小正月

かぐや回るまんまるの月小正月

 「清水貫主」など、我ながら川柳だな、と思った。 準備不足から来る不安 は、的中した。 まったく票が入らない。 わずかに耕一さんが「洗ひをり」 を採ってくれたのと、主宰が「かぐや回る」を採ってくださった。 主宰も、 採るか採らぬか揺れたという。 エイヤッと、採った。 「小正月」は本来、 旧暦の十五日、望、つまり満月にあわせて行われた行事である。 それを新暦 の1月15日にやるようになり、日にちだけ「成人の日」の祝日として辛うじ て残っていたのが、その祝日まで動くようになってしまった。 この句は、衰 えてしまった行事、逼塞してしまったレトロな「小正月」を詠んでいる。 説 明っぽくないところがいい。 自由なつくり方だと思う。 最近は、新季題が 生まれにくい状況にある、とも主宰は話された。  というわけで、先月とうってかわっての「鳴かず飛ばず」、「あすの運勢」は 見事にはずれたのであった