慶應義塾商業学校2008/02/16 07:54

 そこで慶應義塾商業学校だが、『慶應義塾百年史』中巻(前)通巻946頁に よると、明治24年(1891)5月、当時の塾長小幡篤次郎の発案で創立、設置 の当初から商業夜学校と呼ばれた。 これは商家の徒弟や商業に志す者で昼間 修学のできない者のために、夜間授業で短期間に必要な学科を学ばせようとい う目的によるものだった。 こうした商家の徒弟などのほかに、慶應義塾の生 徒に対して習字、そろばん、簿記の技能を短期間に習得させて就職の時の便宜 にも備えたという。

 慶應義塾商業学校は、『慶應義塾百年史』下巻 通巻2979頁~2984頁による と、酒井雄哉さんや石川忠雄元塾長が通っていた昭和11(1936)年ころは、実 業学校令と商業学校規程に準拠していて、高等小学校卒業程度を入学資格とす る修業年限5年の本科(定員750名)と、中学校卒業程度を入学資格とする修 業年限6か月の選科(定員180名)が設けられており、義塾の上級学校への進 学の道が開かれていた。 授業時間は午後4時30分から9時までだった。

 戦後の新学制で中等学校における夜間授業が認められなくなったため、昭和 23年(1948)年3月限りで廃止された。 ほぼ60年近い歴史で、卒業生総数 は正科5,744名、本科1,882名、これに選科その他の卒業生を合わせると10,409 名に及んだ、という。