私の選句と「バレンタインの日」2008/02/18 07:54

 「バレンタイン」と「海苔」の句会で、私が選句したのは次の七句だった。

メール打つ爪のピンクやヴァレンタイン      秋

婿といふ息子やバレンタインの日         秋

ためらひと慎みみせてバレンタイン・デー     松子

とりたての石蒪(あおさ)を焼けば楽しかり     三枝子

岩棚に海神祀り海苔を掻く            ひろし

つやつやと海苔乾きゐる日の恵み         美穂

海苔の舟夫婦の舟でありにけり          芳三郎

 「バレンタインの日」の季題研究は、私の当番だったが、古い歳時記にはな い季題なので、もっぱらインターネットの検索に頼る。 最近、学生がレポー トにもっぱら利用すると評判が悪く、新聞記事には使うなと学者の投書があっ たりした「ウィキペディア」を主な材料にした(由来に興味のある方は、検索 を)。 それに先日新聞記事になったバレンタイン・チュコレート事始のエピソ ードと、落語研究会での瀧川鯉昇のマクラ(2月2日の日記)でお茶を濁した。   メリーチョコレートカムパニーは、1958(昭和33)年2月新宿の伊勢丹で「バ レンタインフェア」を開いたが、3日間で売れたのは板チョコ3枚だけ。 「よ く続けさせてくれた」と語る当時アルバイトで、この提案をした原邦生さんは、 フェア50周年の現在72歳、同社の社長だそうだ。 今や、1,2月の売上は 年間の約3割を占める62億円という。 「バレンタイン」の例句を挙げてお く。

バレンタインデー荒鵜は海猫(ごめ)の見張役   角川源義

バレンタインの消えない死体途中の花      鈴木六林男

ヴァレンタインデーの会話として聞けば     稲畑汀子

野良猫のめそめそバレンタインの夜       坊城俊樹

バレンタインデーカクテルは傘さして      黛まどか