小満んの「宮戸川」(下)の(ロ)2009/12/07 08:06

 ある日、お花がご先祖様の墓参りに行くことになり、半七は店を留守にでき ないので、小僧の貞吉を供につけてやる。 お花は、半七の選んだ白薩摩の着 物に、綴れの帯、東下駄。 心配しながら送り出した半七は、眠くなってゴロ ッとなる。

 お花と貞吉が吾妻橋を渡ると雨が降ってきた。 門の下で雨宿り、止みそう にないので、貞吉に傘を取りにやる。 雷が鳴り始め、恐がるお花。 近づく 雷、カリカリピシャーッ、お花は目を回した。

 雨が上がって、通りかかった兄弟分という二人の男、きれいな若い娘が倒れ ているのを見つける。 兄貴分が、お花を知っていて、実家の船宿に勤めてい た三年前、なにやら言い分があるという。 弟分が抱きかかえ、兄貴分が口移 しに水を飲ませて、背骨の両側を親指でしごき、背中を一つどやす。 昔のよ しみで送ってやろうといいながら、サルグツワをかませ、二人でかついで、石 置場に連れ込む。 弟分には、一杯飲んでくれと金を渡す。 兄貴は?と聞か れ、俺には少し料簡がある、と言う。 小満んは、ここから芝居がかりになる。  サルグツワをはずされたお花、「お前は、イサさん」。 静かにしろい。 真実 惚れた………、いつかは思いを晴らそうと、しっぽり俺と濡れてくれェ。

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