「特殊なものを、そのままほっぽり出す」2009/12/20 06:57

 「手袋」と「葱」の句会の選評で、本井英主宰は、今日のポイントとして「特 殊性を普遍化しない」という話をされた。 季題を楽しむというのは、大前提 ではあるけれど…。 見えたままの個別のケース、特殊なものを、そのままほ っぽり出す。 真面目な、学校の成績のよいような人は、俳句は駄目というけ れど、手を入れて、辻褄を合わせなくてもよい。 普遍化すると、説明になっ てしまう。 わからないままでもよい、伝わらなくてもよい、「俳句は伝令では ない」と言う。 足さず、増やさず。 表現は、鮮烈で構わない。 百か、ゼ ロか、の方が面白い。 出す句の内、何句かは、そういう句を混ぜてみるのも いいだろう、と。

 この日の初参加者の発言に関連して、「キーワードで泣かす」ということも言 われた。 ご自身の句では「独標」。(私は山に登らないので、意味不明だったが…。) 「都 下」は、時代性を持っていて回顧の句になった、と。

 独標に手袋置いて湯を沸かす    英

 都下と言ふ並ぶ家並葱畑      梓渕