坂本龍馬とキリスト教、その一2010/08/20 06:51

 『龍馬伝』15日放送の「亀山社中の大仕事」では、龍馬が芸者の元(蒼井優) と取引をした。 長崎奉行所のスパイ元が、隠れキリシタンと知り、薩長連合 の工作を奉行所に伝えないように取引したのである。 「みんなが笑って暮ら せる国」という点で、両者は一致した。 この話はフィクションであろうが、 坂本龍馬の縁者からキリスト教に関係している人物が二人出ている。

 ひとりは、山本(澤辺)琢磨(1825~1913)。 『龍馬伝』2月28日放送の 「生命の値段」で、江戸で二度目の剣術修行中だった坂本龍馬が助けた、同じ 土佐藩郷士、龍馬の従弟である(『龍馬伝』では、確か武市半平太の妻・冨のい とこという設定だった)。 拾った時計を売り払ったことで責任を問われ、切腹 させられそうになったのを、龍馬が逃がした。 箱館へ逃れ、神宮社宮司の養 子となって澤辺姓となる。 新島襄にロシア正教伝道のために来日していた宣 教師ニコライの話を聞き、尊皇攘夷の立場から殺害しようとして近づくが、逆 に神父の崇高な教えに感銘を受けて、自ら刀を捨てて、信仰を受け入れ、1868 (慶應4)年受洗する。 ロシア正教会の日本人最初の信者で、1875(明治8) 年ニコライの創設した日本ハリストス正教会の最初の司祭となる。 聖名パウ エル。 各地(主に東北)での布教活動に貢献し、ニコライ堂の建立にもかか わった。