春風亭一之輔の「初天神」2012/01/21 04:12

 大劇場が4時10分に跳ねて、いつも行く鶴屋八幡と、クッキーの泉屋や山 下書店を回り、例の天婦羅屋さんへ。 今回は一人券が空いて、高校同級で元 オチケン、チェロ弾きの御仁を誘ってあった。 いつもの仲間とも顔なじみな ので、ここから合流する。 小劇場の第523回落語研究会は、こんな番組だっ た。

 「初天神」      春風亭一之輔

 「松山鏡」      柳家一琴

 「火焔太鼓」     古今亭志ん橋

        仲入

 「平林」       柳家花緑

 「雪の瀬川(下)」    柳家さん喬

 春風亭一之輔、3月に真打昇進だそうだ(二十一人抜きとか)。 二ッ目最後 の落語研究会だと言って (気づき) 、真打になって出られるかわからないけれ ど、エヘヘと笑う。 真打披露のポスター、自分が見てもいい男だと思うが、 国立劇場にはないけれど、各地の寄席に貼ってある。 http://www.ichinosuke-en.com/ 聞いたところでは、その内3枚で目に画鋲が 刺してあり、池袋演芸場では吹き出しが描かれていて、「辞退します」と書いて ある。 辞退しません。 家で真打になるという話をしていると、6歳、今年 一年生になるのが、「お父さんのピークでしょう」と言う。 かみさんは、いい え「お父さんのピーク」は二回ある、一昨年NHKの新人演芸大賞を受賞した のが一回目のピークだった、と。

 子供の話が出たところで「初天神」に入る。 出かける前の、すったもんだ を抜いて、いきなり初天神への道中になる。 一つ提案がある、いい子の金ち ゃんにご褒美をもらいたい、と始まる。 さんざんごねられ、飴くれ、お釣り はいらない。 飴屋は金坊に「坊ちゃん、いい腕してるね」。 赤は女の子みた い、青は毒々しい、と言うたびに、父親は指をなめて別の飴玉を取る。 飴玉 をくわえて、何かしゃべる金坊に、「朝鮮中央テレビか」。

 男と男の約束をしただろう。 あたい実は女、竹ちゃんちならダンゴ何本で も買ってくれるよ、あたい竹ちゃんちに生まれたかった。 子供が竹ちゃんだ ったら、何本でも買ってやるよ。 八五郎さんよ、買わないとあたいにも考え がある。 皆さん、この人、人さらい! 買うよ、家帰ったら、籍抜くか。 お 釣りはいらない。 ダンゴ屋は「坊ちゃん、グッ、ジョッブ!」 あんこか、 蜜か。 蜜の付いたダンゴを、何度も何度も舐めて、真っ白になる。 ダンゴ 屋、そのフタのついたカメは何だ、蜜? フタを取って見せると、ボッチャン!  これを親子でやる。

 凧屋、売らないだろうと聞くと、看板の大凧も売ると言う。 龍、いくらす んの。 ウナリもつけて、お釣りいるよ。 凧を揚げようとして、まず金坊が 酔っ払いにぶつかり、続いて父親がぶつかる。 申し訳ありません、手前ども のオヤジで、よく言い聞かせますから…。 どんどん凧が揚って、オヤジはも う夢中、金坊が貸して、貸して、とせがむのを、ウーッ、邪魔すんな、向こう へ行ってろ!

 真打昇進間近の一之輔、張り切っていて、テンポのよい楽しい高座だった。  歌舞伎も、落語も、正月らしく、見事に凧が揚ったのであった。