「初冬」と「紅葉散る」の句会2021/11/23 07:10

 11日は『夏潮』渋谷句会、10月に続いて、渋谷区リフレッシュ氷川の会場で開催することができた。 兼題は「初冬」と「紅葉散る」、七句の内三句は近所吟行の句も可。 私は、次の七句を出した。

  今の内外出するか冬はじめ
  対岸の船頭の声冬はじめ
  初冬や関東者ののほほんと
  冬はじめ雪国育ちタイヤ換へ
  山門から閻魔堂まで散紅葉
  風立ちてあつけらかんと紅葉散る
  散紅葉瓢箪池をうめつくし

 私が選句したのは、次の七句。
  早暁の薬缶の湯気や冬はじめ     盛夫
  せはしなく動く編棒冬初め        賢
  初冬や整骨院の激励文         正紀
  繋留の小舟寄り添ふ初冬かな     照男
  炭団坂五十三段冬はじめ        照男
  とめどあるはづの紅葉散り止まず   英
  枇杷咲くや会へなくなつた人のこと   孝治

 私の結果。 <対岸の船頭の声冬はじめ>を英主宰と耕一さん、<初冬や関東者ののほほんと>を孝子さん、<山門から閻魔堂まで散紅葉>を英主宰、和子さん、淳子さん、真智子さん、<風立ちてあつけらかんと紅葉散る>を礼子さん、美佐子さん、正紀さん、<散紅葉瓢箪池をうめつくし>を耕一さんが採ってくれた。 主宰選2句、互選9票で、計11票、近来稀な上出来だった。

 主宰選評。 総評として、作者が歌っている感じがあるか、自分が酔うようにつくられていると、嬉しくなった。 <対岸の船頭の声冬はじめ>…渡し舟だろう、静かな川辺、声が聞こえて来る、あまり広くない川。いかにも静かな冬の初めが、手に取るように。 <山門から閻魔堂まで散紅葉>…大した寺ではないだろう、閻魔様を祀ってある閻魔堂、ご本尊の本堂じゃない。冬場でしんとしている境内の一角、その一角だけは美しい。