「滑舌」(かつぜつ)その後2007/05/11 07:44

 1日に、「カツゼツ」のことを書いた。 落語研究会で古今亭昇太が、師匠柳 昇の「カツゼツ」の悪い話をしたのだが、『広辞苑』に「カツゼツ」がない、「滑 舌」だろうか、と。 するとNHK関係の知人から親切なメールが来て、放送 文化研究所の研究員が「カツゼツ」という言葉について研究をしてまとめたも のがウェブにあると、その場所を教えてくれた。

 まるごと引用はできないが、それによると、「滑舌」「活舌」の二通りの表記 があり、一般には「滑舌」が使われている。 言葉を仕事にする人々の間で使 われていた専門用語で、「舌の回りがよいこと」を表すという。 国語辞典にも 記載されていない言葉で、一般に流通している、そう多くはない例の一つ。 た だ『大辞林』(小学館)には「滑舌」で「アナウンサー・俳優などが口の動きを 滑らかにするために行う発音の練習。早口言葉をしゃべるなど」とある。 だ が一般的には「発音練習」でなく、「滑舌が良い(悪い)」のように使われる、 とあった。

 一応図書館へ行って国語辞典を見ると、『大辞林』の親玉『日本国語大辞典』 (小学館)第二版・2001年に「滑舌」で「アナウンサーや俳優などが口の動き を滑らかにするために行なう発音の練習。早口ことばを練習するなど」とある だけで、『明鏡 国語辞典』(大修館書店)にも『大辞林』(三省堂)にも「カツ ゼツ」はなかった。

 ともかく昇太の疑いは晴れ、昇太が一般的で、辞書がそうではないことがわ かった。