「アジアの脱亜」、「脱亜論」の今日的意味2007/05/20 07:04

 国分良成教授は講演のおわりに、日本の中国研究、慶應義塾のそれ、そして 福沢の脱亜論に言及した。 日本の中国研究は、今まで現代中国研究センター がどこにもなかった。 その活性化、開放化、国際化(世界の中国研究は英語 か中国語だ)、政策化が必要だ。 4月から慶應、早稲田、東大、京大を拠点に、 現代中国研究センターが出来た。 慶應には強みがある、石川忠雄先生を中心 に築いてきた戦後中国政治研究の日本の最大拠点としての歴史の厚みがある。  創立125周年の1983年に地域研究センターとして発足、2003年に東アジア研 究所となった。 その発信力と、外から見る規模は大きい。

 国分教授は、今や福沢精神の発揮、「脱亜論」の再解釈が必要だという。 当 時のアジアと今のアジアは違う。 (ここからは、4月26日の第1回朝日ア ジアフェロー・フォーラムで国分教授が行った問題提起で補足する) 福沢が 脱亜と言った時代のアジアは、閉鎖的で、非常に停滞したアジアだった。 今 はアジア自身がより開かれた、そして明るい別のアジア、グローバルなアジア という形になってきている。 アジア自体が脱亜してきている(「アジアの脱亜」 という言葉を使う)。 しかし同時に、グローバルになりかけているけれども、 完全にはなっていない部分も存在する。 古い旧態依然たる閉鎖的なアジアと 訣別するという意味で、「脱亜論」というものの今日的意味を、もう一度解釈し なければならない。