「句会ってなんて楽しいんだろう」2008/10/20 06:45

「障子貼る」と「石榴」の句会で、私が選んだのは次の七句。

  背ナに日をたのしみながら障子貼る     英

  むかしからわが家の男障子貼る       松子

  障子貼る父が仕上げの霧吹いて       なな

  天敵の末子小脇に障子貼る         ひろし

  透きとほる石榴一粒きゆと噛みぬ      和子

  身の内の重さに石榴火照りたり       良

  はるかなるシルクロードや石榴の実     さえ

マンション暮しの日常から障子がなくなって久しい。 「障子貼る」は難題 だった。 むかしの記憶を手繰り寄せるほかなかった。 皆さんの句を読んで いると、なるほどそんなこともあったと、思い出すこともあるし、まったく経 験のないこともあった。

本井英主宰は、40年以上、トータルではどれほどの時間を句会に使ってきた だろう、そして、句会ってなんて楽しいんだろうと、おっしゃる。 俳句会の 時間は、小説を読むのと似ている。 鮮やかな場面が見える。 いい映像を結 ぶ。 これは、面白い句と出合うための集いなのだ。 コンペティションでは ない、相手の句を否定したり、けなしたりする会ではない。 生きざま、死に ざま、そんなものを表したフレーズと出合う。 みんなのレベルを信じて、よ き仲間と、そんな句会の出来ている楽しさ。 そのように主宰は言われるのだ けれど、得票が計4票では、手放しで楽しいと言えないのが、まことに遺憾な のであった。