本を読む「サトエリ」2007/04/13 08:04

 閑居小人はテレビをよく見ているから、佐藤江梨子というタレントが「サト エリ」と呼ばれているのを知っている。 海老蔵と破局したらしいことも知っ ている。 だいぶ前、その佐藤江梨子が歩道をガァーッと走ってきて、マット か何かに「飛び込む」場面の撮影風景をやっていた。 こんなのは「平気、グ ラビア出身だから」と、さっぱりしていて、いさぎよいのだった。

 去年の秋、BS2「週刊ブックレビュー」の書評ゲストとして、佐藤江梨子が 登場した。 初めに「この番組に出るのが、夢だった」と言った。 おすすめ の本に選んだのが、加島祥造著『荘子 ヒア・ナウ』(PARCO出版)、アゴタ・ クリストフ著・堀茂樹訳『どちらでもいい』(早川書房)、そして合評用の本と して荻原浩著『神様からひと言』(光文社文庫)だった。

 「サトエリ」は、『神様からひと言』を新幹線に乗る品川駅の中の本屋さんで 買った、という。 タレントをしていて、働いたことがないのだろうといわれ たが、電車にも乗れば、バスにも乗る、本を読むことで、世の中とずれていな いことを確認する、という。 お客様相談室に左遷されたサラリーマンを描い た『神様からひと言』を、いろいろなことがいっぱいに詰まっている一冊で、 はじめの一歩がだんだん大きくなっていく、そして緊張感がほどけるタイミン グがいい、と評した。