帚木蓬生さんという人 ― 2011/08/25 05:15
帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さんという作家を読んだことがなかった。 1947(昭和22)年の福岡県小郡市生れ、64歳。 東京大学文学部仏文科卒、東 大で剣道部員だったことが、『ヒトラーの防具』につながっている。 巻末の「謝 辞」に、「赤門剣友会の同門でパリ在住の好村兼一氏から、ヒトラーの防具の存 在を知らされたのは、1989(平成元)年の春だった」とある。 卒業後、TBSに 勤務するが、2年で退職して、九州大学医学部で学んで、精神科医になる。
1979(昭和54)年(32歳)に『白い夏の墓標』を発表、サスペンスの舞台を海外 に据えた物語は直木賞候補になった。 1992(平成5)年、『三たびの海峡』で第 14回吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、1997年『逃 亡』で柴田錬三郎賞、2010年『水神』で新田次郎文学賞を受賞している。 そ ういえば『水神』、NHK BSの「週刊ブックレビュー」の特集か何かで見て、 読んでみたいと思ったことがあった。 『臓器農場』『安楽病棟』『国銅』『空山』 『アフリカの蹄』『エンブリオ』『千日紅の恋人』『受命』『聖灰の暗号』『インタ ーセックス』『風花病棟』など多数の著作がある。
“ウィキペディア”に、次のような記述があった。 「八幡厚生病院診療部 長を務める。現在は、福岡県中間市にて「通谷メンタルクリニック」を開業。 開業医として診察をしながら、人間の心と社会倫理を鋭く射抜く、ヒューマニ ズムあふれる作品を世に出し続けている。医学に関わる作品が多く、また自身 (精神科医)の立場から『ギャンブル依存とたたかう』を上梓している。2008年 に急性骨髄性白血病に罹り、半年間の入院生活を余儀なくされた。現在は復帰 している。」
帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)というペンネームは、『源氏物語』の巻名「帚 木」「蓬生(よもぎう)」から取ったそうだ。 余談だが、『芸術新潮』の「10分 で読める『源氏物語』等によれば、 十五巻「蓬生(よもぎう)」は、末摘花の後 日譚。 光源氏は通りかかったボロ家に、末摘花が寂しく貞操を守っていたこ とを知り、訪問。 長くほっといたことを反省。 二巻「帚木」は、光源氏の 前で、親友の頭中将(とうのちゅうじょう・葵の上の兄)らが「雨夜の品定め」、 女の話に花を咲かせる。 クール・ビューティ葵の上とノリが合わない光源氏 は、人妻・空蝉(うつせみ)を強引に落す。
コメント
_ カメ ― 2011/08/31 21:45
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「ヒットラーの防具」ぜひ読んでみたいと思います。