日本の地域共同体の心は失われたか2021/06/11 07:06

 番組では、戦後の高度成長以来、そうした地域共同体協力の伝統が次第に失われていったとしつつ、今なお、例外的に残っている例として滋賀県甲賀市水口町の人口300人ほどの北内貴地区の、「十人衆」を紹介していた。 地域の年長者、年齢の上から10人が「十人衆」を務める。 毎年、川田神社の注連縄を綯って、架け替えるのも「十人衆」の役目だ。 「十人衆」の一人、その年は一番若い75歳の人が、川田神社の神饌田を預かり、田植えから刈り取りまでを担当、神に捧げ、祭りに使う米をつくっていた。 古式揚矢祭(ようやまつり)では、その年の米作が豊作かどうかを、「十人衆」の一人が的に弓矢を放って占う。 地域の田圃は、「十人衆」より若い兼業の世代が、共同体で管理し、トラクターで作業している。 いずれは、「十人衆」になる人々だ。

 デュンラ・バードさんは、秋田県羽後町の農家で、鳥海山の雪解け水で米をつくっている農家で、家の周りに小流れを巡らせる「水ぬるめ」の工夫を見て、美味しいお米を食べた。 このことは、 『新日本風土記』「鳥海山」<小人閑居日記 2017.9.24.>と、「温水路」と江戸の絶景・象潟<小人閑居日記 2017.9.25.>に書いたことがあった。

 デュンラ・バードさんは言う、「コミュニティ(地域)が笑顔を作っている。みんなが共通の目標に向かうことで地域をつないできた。それが笑顔の源。自己中心的ではなく、人に心を開いている。」

イザベラ・バードの見た日本人は、「昨日と同じ今日に感謝し、今日と同じ明日を願う。」 先日80歳になった私は、同じ心境である。

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