あるブロガーの山岳遭難 ― 2006/09/21 07:38
何か月か前だった。 俳句に関することを検索していて、「山画新内(蕎麦) 太夫の日記」というブログを見つけた。 俳句はもちろん、山登り、絵を描く こと、新内、蕎麦打ち、テニスと多趣味な日々の出来事を、写真を多用して紹 介する日記だった。 63歳、前は銀行にお勤めだったようで、学部は違うがど うも同じ学校の卒業生らしい。 親しみがわいて、毎日、覗いていた。
その日記が9月10日(日)で、突然止まって、動かなくなった。 10日の日 記は「9/8(金) 栂海新道初日です!!」というもので、9月7日(木)に夜行で栂 海新道~白馬岳~欅平の大縦走に出発、写真は上野からの急行能登で到着した 8日早朝の親不知海岸、そこから山に入って、8時間強後の15時20分、予定 の山小屋(白鳥小屋)に到着したという記事である。 ブログがその画面で動か なくなって一週間、私はのんきに、あとは帰ってから報告するつもりなのだろ うなどと思っていた。
一週間が過ぎた18日、思いついて「コメント」をクリックして、驚いた。 山画新内(蕎麦)太夫こと吉井秀男さんは、遭難していたのだった。 15日ごろ から、次第に事態がわかってきていた。 白鳥小屋に泊まった吉井さんは、9 日(土)午前2時に朝日小屋へ向けて出発したが、10日(日)午前6時30分になっ て前夜宿泊予定だった朝日小屋に「無断予約キャンセルを詫び、予定を変更し て蓮華温泉に下山する」と連絡してきたのを最後に、消息を断っていたのだっ た。 13日(水)にご家族から捜索願が出て、14日(木)から新潟県警がヘリコプ ターなどを出して捜索を開始した。 行方不明になってから6日後の16日(土) 午前9時過ぎ、ヘリコプターが朝日岳から蓮華温泉に向うルートから外れた沢 にいる吉井さんを発見、救助した。 ご長男の功さんの書き込みによると、糸 魚川の病院に収容された吉井さんは、かなり衰弱しているものの、しゃべるこ ともでき、あとは体力の回復を待つだけという。 まずは一安心というところ だ。
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