志の輔の「死神」と“運”2007/07/03 08:10

 志の輔は「死神」を「とにかく陽気に、落語らしくやりたかった」と、長井 好弘さんに語っている(プログラム)。 そこでローソクの火も、“寿命”じゃ なくて“運”としてみた。 それで昨日の長い長い“運”のマクラを振り、当 <日記>も二日にわたることになってしまった。 そういえば、死神もあまり 恐くない死神だったし、最後に入る洞窟もそんなには暗くない場所だった。

 どうにもならない借金を苦に、死のうとしている源兵衛のところに、やって 来た死神は、死ぬのを止めに来た、という。 “運”が残っている、お前は今 まで“運”をあまり使っていない、使い切ってから死んだらどうだ、と。 病 人の足元に死神が座っていれば、その病人は助かると、教えてくれた呪文は「チ チンブイブイ ダイジョウブイ(だいたいVサインをする)テケレッツのパ」、 手を二つ叩く。 「私が医者です」という看板を出した源兵衛、大成功、大評 判となり、使い切れない金をつかむ。 女を連れて、京都に物見遊山に行くが、 女は金からなにから全てを持って、いなくなる。 「私が再び医者です」と板 に書いて出し、京都で学会があったと言訳をする。 だが、診る病人、診る病 人、みんな死神が枕元に座っている。 再び借金の山。 一計を案じ、奇策を 弄した源兵衛は、“運”を使い切ってしまった。 最初の死神が現れ、落ちへと 進む。 それは書かない。 どうしても知りたい人には、メールで。

 気がつけば、いつもの終演時間を20分もオーバーしていた。 それだけ引 き込まれて聴いていたことになる。 いつもの電車に乗っていたら、酔っ払い にからまれた上、スリにあっていたに違いない。