「巧言令色またこれ礼」〔昔、書いた福沢2〕2011/12/21 04:17

   等々力短信 第105号 1978(昭和53)年2月5日

 無口である。 必要なことでも言わずにいるくせに、案外余計なダジャレな ど飛ばして、両方で失敗したりするのだ。 話すこと、こちらの意思をはっき りとひとに伝えることを心掛けなくてはと思う。

 朝日新聞が社説(1/27)で「日常語の喪失」と題し「ちょっとしたお礼の言葉、 はがき。その大切さが、いま、あまりにも忘れられてはいないか」と書いた。  読売新聞「顔」(1/24夕刊)で佐藤欣子検事は国連での経験にもとづいて、国際 社会では「行動しない、しゃべらないやつはバカなんです。わかっていないん です。どんなバカなことでも、動いてしゃべって自己主張すれば、だれか必ず 感心してくれる社会なんです」と話している。

 してみると、無口は何も私一人の専売特許でなく、日本人に共通の欠陥かと も思えてくる。 批孔のはしり、福沢諭吉は「巧言令色すくなし仁」を裏返し て、「巧言令色またこれ礼」といっている。                        (短信105・終)

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