真鍋淑郎さん宅のもう一枚の額の詩2021/10/21 06:55

 11日に「等々力短信」1148号「真鍋淑郎さんと井上靖の詩」を出したが、10月9日の朝日新聞夕刊トップの写真で、真鍋淑郎さんのニュージャージー州の自宅リビングの壁には、豪快な書の額が二枚架かっていた。 一枚は井上靖の詩「渦」だと説明があったので短信に書いたのだが、もう一枚がわからなかった。 写真から読めるのは、「嚝野は暗紫に 寒き地が肌に 閉ざされし枯草」。 井上靖の『詩集 北國』には、それらしいものはなかった。

 10月17日の「天声人語」で、白鳥省吾の詩だということが判った。 1890(明治23)年宮城県栗原市の生まれ、早大卒、庶民の生活や心情を口語で表現する「民衆詩派」を代表する詩人という。 名前も知らなかった。 <凍えゆく夕暮の広野は/暗紫にところどころ雪の白を点ず(中略)/寒き地の肌に氷に閉ざされし枯草に雪の上に/煤(すす)ふらし咽(むす)びゆく>、「夕景」という詩だそうだ。 改めて、額の写真に当てはめてみると、「嚝野は暗紫に(處處か?数字不明)雪の白を点ず寒き地の肌に氷に閉ざされし枯草 省吾の詩 碧生(?)出」となる。 「碧生」は山口碧生(あおい)というアメリカで活動する書道家ではないかと、推測した。

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