必修「歴史総合」から「日本史探究」「世界史探究」に進む2022/04/13 06:54

 高校で、今年4月から「歴史総合」という新科目が必修になった。 これまで世界史と日本史に分かれていた歴史科目を、18世紀以降の近現代史として「総合」した形で学ぶことになった。 「歴史総合」を必修科目として学んだ後、選択科目の「日本史探究」「世界史探究」に進むことになる。 「歴史総合」の教科書の記述は、テーマ史の形で3編、「近代化と私たち」「国際秩序の変化や大衆化と私たち」「グローバル化と私たち」となっていて、これまでの日本史の教科書のような一国だけの歴史(ナショナルヒストリー)ではない、日本と世界をグローバルヒストリーとして学ぶことに主眼があるという。

 そこで、選択科目の「日本史探究」「世界史探究」の教科書の検定結果である。 朝日新聞が、3月30日の朝刊で伝えた。 「日本史探究」は、「歴史総合」で近現代史を履修したうえで、古代から現代までの通史を学ぶ。 さまざまな事象を多面的・多角的に考察し、現代の諸課題について探求する力の育成をめざす。 これまでの「日本史B」に比べ、自ら問いを立てたり多様な資料を活用して考えたりする、主体的な学びが重視される。 5社の7点が合格した。

 「世界史探究」は、これまでの「世界史B」が基盤だが、詳細で専門的な知識の習得ではなく、世界の歴史の大きな枠組みと展開について、理解を深めて考察し、「地球世界の課題と展望」を探求する力を養うことを狙いとしている。 5社の7点が合格した各社の教科書には、回想や日記など文字による記録のほか、地図、年表、グラフ、絵画や風刺画、写真といった多くの資料が掲載され、「問い」もふんだんにちりばめられているという。

ところで、もし必修科目「歴史総合」から選択科目「日本史探究」へ進まないとすると、古代から近代以前までの歴史は、まったく学ばないということか。 何か、とても奇妙な感じがする。