内閣総理大臣の紋章「五七の桐」 ― 2007/05/16 07:09
10日の渋谷夏潮会で、季題「桐の花」のレポートをしたのは宮川幸雄さんだ った。 まず「桐の花」は紋章だ、という。 日本には、キリ(白桐)をデザ インした家紋や神紋(神社の紋)がいくつかあり、それらを総称して「桐花紋」 という。 なかでも「五七の桐」と呼ばれる意匠が有名で、三枚の葉の上に五 七五の薹(とう・花茎)が立っている。 そもそも桐は鳳凰の止まる木として 神聖なものとされていて、この紋は、嵯峨天皇の頃から天皇の衣装に用いられ るなど、「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされてきたのだそうだ。 中世以降は 天下人たる武家が望んだ家紋としても有名で、足利尊氏や豊臣秀吉なども、天 皇からこの紋を賜っている。 そのため「五七の桐」は「政権担当者の紋章」 という認識が定着することになった。
近代以降も「五七の桐」は、内閣総理大臣・政府の紋章として、あるいは菊 花紋に準ずる国章として用いられてきた。 宮川さんは、現物主義だとして、 ご自身のパスポートなどを回覧した。 表紙は菊の紋だが、写真のところに押 してある印などは「五七の桐」だ。 そういえば記者会見する内閣総理大臣の スピーチ台には日本国として「五七の桐」の紋章がある。 500円硬貨を取り 出してみれば、表が桐だ。
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