女流噺家、柳亭こみちの「兵庫舟」2012/12/06 06:47

 11月30日は、第533回の落語研究会。  プログラムは、

「兵庫舟」       柳亭 こみち

「稽古屋」  菊六改メ 古今亭 文菊

「寝床」        立川 生志

仲入

「六尺棒」       三遊亭 小遊三

「掛取り」  平治改メ 桂 文治

 柳亭こみちは女流噺家、黒紋付の着物に紫の袴。 2006年暮、二ッ目に昇進 前に一度この会に出た。 落語研究会というので、気合入りまくり、昨日は美 容院へ行き、今日は美顔器をかけ、忘れ物をしないようにして来たと言う。 忘 れ物といえば、旅の興行に出ると、すぐに買えずに困ることがある。 襟芯、 新聞紙か広告を畳んでつくる、但し夏の薄い着物だと字が読める。 帯のまく ら、静岡でなくて、トイレットペーパーの芯を使った。 すててこ、九州で調 達できず、穿かずに高座に出たのはいいが、落語のあとでカッポレを踊り、と んだサービスになってしまった。 腰ひも、二三本要るが、秋田で45ℓのゴミ 袋を三枚巻き付けた。 堂々と高座に上がれば、わからないのだけれど、ガサ ガサ音がする。 その話をしたら、楽屋にゴミ袋を届けてくれた人がいた。 ゴ ミ袋は自分で買えます。 品川の棒鼻まで見送りの人が来て、旅に出る、と「兵 庫舟」に入った。

 江戸っ子が二人、兵庫から大坂安治川までの船に乗る。 謎かけなどしてい ると、たちの悪い鮫に取り囲まれて、船が動けなくなる。 持ち物を投げ込ん で、流れずに、沈んだ者が、ドカンボコンと人身御供になることに。 八ちゃ んの質札、お姐さんの腰巻、御婆さんの嫁がくれた黒百合の飾り(花言葉は「の ろい」)が流れて、お終いに残った、黒紋付襟垢の投げた扇子が沈み、その旅回 りの講釈師二龍斎貞セン(船?)が、この世のなごりに講談を読む。 赤穂義 士伝のはずが、武蔵坊弁慶や常盤御前、竹取の翁に芦田愛菜、寿限無寿限無ブ ラコウジ、玄冶店の切られ与三、石川五右衛門が「石川や浜の真砂は尽きると も7月6日はサラダ記念日」、平知盛、はらたいらは3千点、入れ歯の疑惑は 黒柳徹子、文治襲名おめでとう、とつきつぎ登場、訳がわからない。 すると、 舟が動き出した。 鮫たち、ヘボ講釈があんまりポンポン叩くから、蒲鉾屋か と思った、という落ち。

 一昨年正月の三遊亭王楽(好楽の倅)の「兵庫舟」同様、このヘボ講談が、 ベテランの演る「源平」「やかん」「浮世床」の、あの可笑しさに及ばなかった のは、まあ致し方ないか。

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