『笑点』の出始め、母親が急性胃炎2016/04/29 06:26

 『笑点』50周年だそうだ。 林家たい平は、病気療養のため休演した師匠・ こん平の代役として、2004年12月26日放送分から大喜利に出演、こん平の 復帰のめどが立たないことから、2006年5月21日の放送分から春風亭昇太と ともにレギュラーメンバーになった。

 『林家たい平 快笑まくら集』に、たい平がNHKでやっている『ど~する? 地球のあした』という小学校高学年向けの環境問題の番組で、さかなクンと館 山の半田漁港へ行った話がある。 待ち合わせが、なんと朝の4時。 なのに、 さかなクンは「いやぁー、たい平さぁーん、うれしいでギョざいます。ギョ一 緒できるなんてぇ、いやぁ、うれしいなぁ、ギョギョウ!」というハイテンシ ョン。 漁船に乗って、定置網の所へ。 珍しい魚が揚ってくると、親方がさ かなクンに、「自分の家へ持って帰って水槽で飼いな」なんて言う。 で、ぼく もありがたいことに、これはもう本当に『笑点』のおかげですね。 もうぼく の名前なんか全然言ってくれなかったんですけど、親方が「オレンジ、オレン ジ」(笑)ってずっと言ってくださって。

 先代の圓楽師匠の司会で、二年ほど『笑点』に出させていただいたのは、良 い思い出となりました。 でもね、最初の頃、幾ら手を挙げても指してくれな いんです。 これはなんか圓楽一門の罠じゃないかな? と思ったんです。 ぼ くの隣が楽太郎師匠(現・六代目圓楽)ですから、わたしが手を挙げても、楽 太郎師匠、わたしの身体を死角に入れるような体勢で手を挙げますから、圓楽 師匠からみえないようにしているんじゃないか、とかね。 一向に指してくれ ないのが十週ぐらい続きましてね。 うちの母親なんか急性胃炎になってしま って。 で、うちの近所なんか歩いていても、知らない人たちがどんどん近づ いてきて、「あんた、苛められてるのよ。ダメよ、頑張らなきゃダメよ、あの年 寄りが苛めるんだからねぇ」

 そんな十二週目ぐらいのある日、楽屋に圓楽師匠がボツッといらっしゃつた ので、この時だと思い、師匠のところに行きまして、「あの師匠、いくら手を挙 げても指してくれないんですけども、何か失礼なことをしましたでしょうか?」 って聞いたら、「あ~、君ねぇ、本番になると名前がわかんなくなっちゃうんだ よねぇ」