真剣勝負の緊張感2006/08/07 07:43

 兼題「炎天」の句会で、私が特選したのは、

  炎天に大き闇抱く登り窯         弘子

 炎天の明るさと、屋根のかかった登り窯の暗さの対比、窯の中の陶芸作品は 開けてみなければ、よい作品が出来たかどうか分からない、その闇も詠んでい るのか、と話した。 克巳さんが特選してくれた「ガラス工」が、自分の句で あることも明かした。 窯のつながりがあったからである。 あと九句の選句 は、

  鍔ひろきことを恃みて炎天へ       英

  きな臭き話なりけり花火待つ       克巳

  祭見る猿の如く子を抱いて        同

  ワイン酌む沖のヨットの風見つつ     桂子

  一つ摘む茗荷の花の匂ふ指        同

  父の指ギュッと握りて海水浴       けん詞

  天仰ぎ母校球児の夏終わる        同

  渚橋かけぬけてゆく夏帽子        翡翠

  犬小屋のほうへ流れし蚊遣かな      藪柑子

 他流試合、真剣勝負の緊張感があった。 専門の方々でもなかなかこういう 機会はないらしく、本郷桂子さんによると、『円虹』主宰の山田弘子さんでさえ、 肩の隅にちょっぴり力が入っていた、ということだった。 充実した、何とも 楽しい句会だった。 真剣な表情で句会に取り組んでいた三茶さん、句会が終 わって少しビールが入ると、高座のあの木久蔵さんになった。

 この1日は涼しかったが、その後毎日暑い日が続く。 時間になると、今頃、 句会の最中かな、などと思う。 暑い日は、さぞ大変だろう。 それも一か月 連続の長丁場だ。 本井英先生は、ほどほどのサービスで、十分な休養を取ら れるように。 ご健康を祈る。

コメント

_ 江戸端語(はしご・たんごとも読む) ― 2006/08/07 10:18

煙突の 煙途絶えて 赤とんぼ
江戸川の 窯の火落ちて 秋深し

事務所と写経していた親父さんを思い出します。

_ 轟亭 ― 2006/08/07 15:51

落語研究会の前に行く、平河天満宮前の某居酒屋の、
トイレにかかっている徳川家康の遺訓の字が、親爺の
字に似ていて、そのたびに、親爺を思い出すのであり
ます。

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