「再起の記憶 刻んで~横浜 山下公園」2011/10/08 04:44

 「西岡秀雄先生 お別れの会」の終了後、同期の仲間と「社中交歡 萬來舍」 でお茶を飲んだ。 その席に二名しか参加していなかった一期下の二人も来た。  卒業以来会ったことのなかったその一人、学年代表を務めた斎藤秋造さんは、 しっかりとした、立派な顔の人物になっていたのだが、明日テレビに出ると言 う。 10月2日、日曜朝のNHK総合『小さな旅』「再起の記憶 刻んで~横浜  山下公園」という番組である。 横浜の生れ育ちであることは知っていたが、 食料品会社を経営するかたわら、もう18年も横浜市のボランティア・ガイド を務めているそうだ。 50歳からやっていた勘定になる。 番組は、その斎藤 秋造さんを中心にして、展開した。

 年間500万人以上が訪れるという山下公園、実は、ここは関東大震災で壊滅 した横浜のがれきで海を埋め立ててつくられた。 ホテル・ニューグランド前 の、海に面したバンドと呼ばれる通りが、昔の海岸線だったわけだ。 緑あふ れる公園は、がれきの上に1メートルの土を盛ってつくられており、その秘め られた歴史が紡ぎ出す、人々の絆に出会うというのが、番組の趣旨だった。 斎 藤さんは、新人ガイドの研修をし、関東大震災を経験した107歳のおばあさん の体験談をお仲間と聞きに行き、東日本大震災で被災し、修学旅行で訪れた宮 城県亘理町の中学校の生徒を案内して、横浜のこの事例を話し、復興の希望を伝え る。 横浜中央卸売市場のお店や、横浜の歴史を研究しているご自宅書斎も紹 介された。 文化地理研究会での経験を、こういう形で生かしている人がいる ことを知って、嬉しかった。

 横浜には、何かとご縁がある。 当日、斎藤さんには、私の横浜散歩(読売文 化センター)の先生、明治学院先輩のヘボン研究家、石川潔さんの話をした。 し かし、もうお一人、福澤諭吉協会で知り合った中村實さん(NHK文化センター 「横浜ぶらり旅」)が、文化地理研究会の先輩だったのを、西岡先生が亡くなっ た後で知ったことを、伝えもらした。