柳家ろべえ「あくび指南」2014/10/05 07:04

 9月30日は、第555回の落語研究会、何となく縁起の良い感じがするでは ないか。

「あくび指南」      柳家 ろべえ

「水屋の富」 志の吉改メ 立川 晴の輔

「万両婿」        柳家 三三

        仲入

「七段目」        古今亭 志ん輔

「三十石」        柳亭 市馬

 黒紋付で出た柳家ろべえ、喜多八の弟子だという。 弥次郎兵衛・喜多八の 弥次郎兵衛の、半人前だからと下半分で「ろべえ」だが、いずれは弥次郎兵衛 になれれば…。 「がんばれ!」との声に、頭が真っ白になった、と。 落語 研究会は、素人の時に師匠を見て、楽屋口で弟子入りを志願した思い出の場所。  弟子入りしたいと言うと、師匠は「呑みに行こうじゃないか」。 バイクに乗っ て来ていたから飲酒運転になると言ったら、「じゃあ、また」となって、弟子入 りまで1年半待つことになった。 習い事をしなければいけないと言われて、 長唄と踊りの稽古に行ってる。 師匠もそう、やる気のなさそうなオジサンだ けれど。

 職人は朝早く仕事に出て、昼とんと仕事を切り上げて、稽古事に行ったもの だ。 町内に五目の師匠というのがあって、女で、若くて、器量がいいと、若 い者が集まって来る。 稽古所(「けいこじょ」でなく「けいこどころ」と、言 った、どっちか)が出来た、お師匠さんがいい女で、外を掃除しているのを見 て、ドーーンと来た。 一人で行きづらいから、付いて来てくれ。 ごめん下 さい。 どなた? 八五郎、二十八、独り者、大工、看板が読めない。 「あ くび」指南。 「あくび」を教えるんで? 「あくび」は、茶道から出ていま す。 どうぞ、お上がりを。

 (出て来たのは男、つくった声で)ようこそ、おいで下さいました、ケッシ ン斎チョウソク。 先ほどの方は? あれは、手前の家内でな。 あれ、看板 だ。

 四季のおあくび。 夏、大川の首尾の松あたりに舟を舫ってある。 揺れる ともなく、揺れている。 (老人の声で、やってみせる。)「舟遊びもいいが、 一日やっていると、退屈で、退屈で。 堀に上がって一杯やって、吉原(なか) へでも行って、粋な遊びの一つでもしてこようか」

 八五郎、ヒョイヒョイと揺れ、オ・オ・オ。 品がないな、大家の御隠居で すよ。 「堀に上がって一杯やって、吉原(なか)へ行って、つーーと上がる と、出て来た女がいーい女で……」。 何度やっても、途中から女が出て来てし まう。 舟の中だから、鼻にかけて…。 ヒ、フ、ヘ、ホ、ハックショイ。

 (付いて来た男)馬鹿じゃないか、大の男が二人して、こっちの方が、退屈 で、退屈で、アーーア、ナラネェ。 おー、お連れさんの方が、ご器用だ。

 ろべえ、声の調子をそれぞれ使い分けるなど、工夫していた。