福を運ぶ七福神と童子たちの御所人形2023/01/23 07:03

 「初春(はつはる)を祝う七福うさぎがやってくる!!」展、おめでたい横山大観の≪日之出≫と滝和亭の≪松に鶴・梅竹に鳩図屏風≫に迎えられ、次の部屋に入ると、ずらっと並んだ総体58体の御所人形の行列、福をはこぶ七福神と童子たちに圧倒されるのだ。 みなウサギの冠をかぶっているのは、卯歳生まれの岩崎小彌太(1879(明治12)-1945(昭和20))の還暦を祝って、孝子夫人が京都の人形司、丸平大木人形店の五世大木平蔵(1886(明治19)-1941(昭和16))に制作させたものだからだ。 ≪餅つき≫≪輿行列≫≪宝船曳≫≪楽隊≫≪鯛車曳≫、衣装や持ち物、乗り物など、すべてが木彫彩色で精巧に仕上げられている。 笑みをたたえた人形たちは、それぞれ小彌太と夫人の姿を写したともいわれ、1939(昭和14)年8月。麻布の鳥居坂本邸の還暦祝賀会で披露された。

 中国・日本の寿ぎの絵画、新春にふさわしい宴の器や、この美術館の看板で記念展I「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき」の目玉だった国宝≪曜変天目≫も展示されているけれど、小彌太の還暦から七回りした卯年にあたる新年、新たな人生の門出を祝う御所人形のオンパレードこそ、ぜひ見ていただきたい逸品だと思った。

 此の期に及んで、御所人形って何? と気づいた。 辞書を引くと、「享保(1716~1736)の頃、京都で創製された、頭の大きな、体の丸々とした幼児をかたどった裸人形。大内人形。御所で賜ったことから拝領人形、京土産として御土産人形などとも呼ばれた。」とあった。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
「等々力」を漢字一字で書いて下さい?

コメント:

トラックバック