三遊亭笑遊の「祇園祭」2023/08/31 07:23

 笑遊、この会では初めて、ずいぶん前に東京落語会で一度聴いたことがあった。 きれいな空色の着物。 奈良へかみさんと二泊三日で行った、春日大社、興隆寺(興福寺か)、奈良公園。 放してある鹿を大事にしている、鹿せんべいをやる。 お寺回りをして、大阪へ、倅がいるので食事会。 江戸っ子は、生涯に一度、お伊勢参りをした、二か月か三か月かけて。

 江戸っ子の三人旅。 一人が肉刺(まめ)が出来て痛いと言うのを、馬方が笑っている。 何が面白い、寄席じゃないが木戸銭払え、江戸っ子だよ。 そうだ、ポンポンと言ってやれ。 あそこで兄ィが待ちぼうけだ、恐い顔してる。 ケツまくって、藪に飛び込んだぞ。 おい梅公、紙、持って来い! 何だ、それか。 梅公が足に肉刺つくって、ぐたぐた言ってる。 ここは粟田口、京まで目と鼻の先だ。 夏の旅だ、湯を探して、こざっぱりして、東男に京女といこうじゃないか。 ついて来ねえ。

 京の町、四条河原町の宿から、女郎買い、こちらでおやま買い、お耳を貸しておくれやすって、京の女は最高だ、あっという間に路銀が無くなる。 弟分の二人は江戸へ帰り、兄貴分は京に伯父さんがいるので残ることに。

 京の夏は、祇園祭。 梅村屋の二階で見物することになったが、伯父さんがドタキャンして、伯父さんの友達なる人物とやってくる。 江戸の兄はん、まあ一杯どうぞ。 旦那、ごちになります。 薄い酒だ。 京の伏見といえば酒どころ、京は王城の地、日本一、アッアッアッーーッ、日本一の土地柄やさかい。 若い時分、江戸へ走った、賑やかだが、ゴミゴミ汚い、人もちょこまか、犬はバリする、武蔵国の江戸でなく、ムサイ国のヘド、アッアッアッーーッ。 いい加減にしてもらいたいね、住めば都というけれど、江戸の悪口はやめてもらいてえ。 京は王城の地、日本一、京の人間は、こないだの火事といえば、応仁の乱や、江戸の人間は、東夷(あずまえびす)の田舎者だ。 日本一は、桃太郎のキビ団子だ。

 山鉾、長刀鋒……、祗園囃子も上品でっしゃろ、「コンコンコンチキコンチキチン、ヒューリヒューリトッピッピ」。 何言ってやがんでえ、江戸の祭、神田祭、威勢のいいのは江戸の囃子だ、ショウデンてえのは将軍様の昇殿なんだ、「ドドンドン、オヒャリヒャートロー、ヒャートロ、ドドン!」「テンテンテンテン、スケテレツク、テンツクテンツク、スケテンテン、ピィーーッ、ドッコイ」とくらあ。 京の神輿は、「ホラサ、ヨーイヨイ」。 江戸の神輿は、「ワッショイ、ワッショイ」だ。 ツバキの飛ぶ神輿やな。 兄はん、御所は見物しましたか、紫宸殿のお砂を握ると瘧(おこり)が落ちる。 何言ってやがんでえ、江戸城の大手の砂利をつかんでみろ。 瘧が落ちますか? いや、首が落ちる。

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