第一番「時鳥」の句会 ― 2006/08/04 08:03
錚々たるメンバーが参加されるような話は聞いていた。 だが、まさか林家 木久蔵さんや村上開新堂の山本道子さん、NHK俳壇にも出ていらっしゃる『円 虹』主宰・神戸の山田弘子さん、慶應義塾中等部教諭で『知音』主宰の行方克 巳さんと、ご一緒とは思っていなかった。 山田さんとおいでの、西宮の本郷 桂子さんも、芦屋の黒川悦子さんもホトトギス同人の俳人、隣に座らせて頂い た船橋の佳田翡翠さんも含め、皆さん俳句講座の講師を務めておられるような 方々であったことが、翌朝、インターネットの検索エンジンに「俳句」と「お 名前」を打ち込んでみて、わかったのである。 ほかは慶應関係・本井門下の おなじみの面々、矢板けん詞さん、坂本渓山さん、漉橋(すきはし)山宗さんで ある。
そこで、私の出した「時鳥(ほととぎす)」の10句。
不如帰世田谷出でて逗子に啼く
東京に尋ねあぐねてほとゝぎす
あの頃はランプの宿よ時鳥
猿の来る湯までの登り時鳥
ひかりごけ探し求めて時鳥
山寺の静けさを裂くほとゝぎす
ほとゝぎす根岸の古き豆腐店
時鳥なくか有明テニス場
逗子降りて避暑地の人の顔になる
朝顔は江戸のつづきを咲きにけり
清記と選句をしていて、「時鳥」にこだわりすぎたのは失敗だったかな、と思 った。 皆さん、嘱目の句が多かったからである。 「時鳥」を尋ねあぐねた 苦しさが「有明テニス場」あたりに出ている。 『不如帰』や「避暑地」の句 は、初日の挨拶句のつもりだった。 結果はというと、意外や意外、このとこ ろの「啼かず飛ばず」の続きではなかったのだ…。
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