清(チン)香(シャン)甘(カン)滑(ファー)2006/08/29 08:41

「千年茶館」で相談しながら、今回は15年熟成ものの陳年凍頂烏龍茶1990 年春と、ことし最高のものがとれたという阿里山佛手2006年春を選ぶ。 こ の茶館は、清(チン)・香(シャン)・甘(カン)・滑(ファー)、バランスのとれた良 質の茶葉を扱っている、という。 清―水色が美しく、透明度が高い。 香― 香り高く、余韻がある。 甘―渋み、苦味との絶妙なハーモニーで甘みがある。  滑―喉越しが滑らかで、後から口中に茶の旨さが戻ってくる。

23日に書いた中で、淹れ方の「工夫式」は、茶の香りを楽しむ聞香杯(もん こうはい)を使った「台湾式工夫茶」の淹れ方で、「工夫(コンフー)」とは中国 語で手間をかけて丁寧に茶を淹れることだそうだ。 一階の茶を入れた大きな 容器を「茶壺 (ちゃつぼ) 」と書いたが、「急須」のことを「茶壺(チャフー)」 と呼ぶという。 「茶こぼしになっている台」は「茶盤(チャバン)」、「湯ざま し様の器」は「茶海(チャカイ)」―茶の濃さを均一にする、「土瓶がたえず温め られている」は「セラミックス製ポット」―水がまろやかになる・と「アルコ ールランプ」だった。 「一煎目は洗う感じでこぼす」と書いたが、「茶葉を茶 壺に入れ、熱湯を注ぎ、すぐに茶海にあける」ことを「開茶」―葉を湿らせ開 きやすくする、ということがわかった。 その茶海の湯で十分に聞香杯・茶杯 を温めておき、一煎目を淹れている間に湯を捨てるのだった。

 中国茶のルールは、これでなくてはいけないというものはないのだそうだ。  自由に「愉しく、美味しく」お茶を楽しめばよいのだという。 家内と二人で そのゆったりした時間に交す話があるだろうかと、笑いながら出かけたのだっ たが、千年的喫茶空間はそんな危惧を忘れさせてしまう不思議な世界なのであ った。