圓太郎の「代り目」2007/02/03 07:07

 橘家圓太郎の「代り目」。 2004年6月30日の第432回落語研究会でも「た がや」で、さん喬の「唐茄子屋政談」と組んだことがあって、私は「圓太郎の “明”と、さん喬の“暗”」と、書いている。(<小人閑居日記 2004.7.1.>)  この日はいよいよ、さん喬がトリで(上)(中)(下)と三回にわけた合計2時 間の長講「ちきり伊勢屋」のクライマックスをやる。 圓太郎は、その話から 入った。 フルコースの料理で、冷たくて甘くないデザートのようなものが出 てきて、これで終わりかなと思っていると、メインディッシュになる。 口直 しだそうだ。 メインディッシュの前には、口直しが出ることになっている。  ずいぶんあちこちのホテルで、フルコースの料理を食べたが、その口直しのお いしかったためしがない、と。

 「代り目」は、酔っ払って帰ってきた旦那が、うちでも飲みたいと、おかみ さんに掛け合う例の噺だ。 何か、つまむものがあるだろう、人が住んでいて 何かあるから、油虫でも出てくるんだ。 「食べちゃった」はいけない、「いた だきました」と言えという、あれである。 今朝の納豆が、36粒半残っていた、 あれは、どうした。 圓太郎らしく、フジテレビの前に捨てて来た、とやって、 受けていた。 おでんを買いに行くというおかみさんとの、「がん」とか「ぺん」 とかいう部分は省略して、鍋焼きうどん屋を呼び込んで、お燗をつけさせ、海 苔を炙らせ、当りめ(するめの忌詞)を焼かせるところをたっぷりやった。 こ れが可笑しい。 当りめは、足のぽちぽちのこげこげになったのが美味しい、 さすが食いもん商売だ、さぞやほうぼうにいいお得意さんがいるんだろう、だ ったら、そこへお行きなさい。 うどんは嫌いだ。 うどん食うくらいなら、 メメズ食った方がいい。 怒って出て行ったうどん屋を、亭主が親切なうどん 屋さんだったと言うのを聞いて、帰ってきたおかみさんが、私が食べるよ、と 呼びに行く。 あそこはいけねえ、銚子の「代り目」でござんしょう、という 落ちが題名になっている。 熱演の圓太郎、足がしびれて、抜き足差し足でひ っこんだのも、ご愛嬌。

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