「神津牧場」と創設者の理念2007/11/04 07:29

雨の神津牧場

 「神津牧場」は、意外と人里離れた、山深い、奥にあった。 上信国境物見 山(標高1,375m)の山頂から東側の斜面400ha弱を切り拓いてあるので、開 発はもちろん、日常の作業も、さぞ大変だろうと思われた。 あとで伺えば、 傾斜地の放牧で牛がよく運動し、本来の食べ物である牧草を食むので、良質の 牛乳や牛肉になるという。 明治時代に始まる「洋式」の牧場で現在も存続し ているのは、日本最初・明治20(1887)年の創設の「神津牧場」と「小岩井 農場」の二つだけだそうだ。 大資本の「小岩井」にくらべ「神津牧場」は1/10 の規模だが、明治38年からは全身茶色のジャージー種の牛に限定し、上記の 家畜本来の機能を生かした飼い方をする理念で一貫してきたについては、ちょ うど適正な規模だという。   「神津牧場」の牛乳は高蛋白、高脂肪で、カロテンも多く含み、少し黄色み がある。 この牛乳から作られる「ゴールデンバター」は栄養価が高く、明治 期からの人気商品で、福沢諭吉が愛用したことで知られている(2月9日の日 記参照)。 29日にちょっとふれたように、創設者は明治14年に慶應義塾に入 った神津邦太郎(1866~1930)で、経営が神津家の手を離れ、田中銀之助、さ らに明治製菓を経て、現在の財団法人「神津牧場」と移っても、邦太郎の理念 は、ずっと受け継がれてきているのだそうだ。

 残念ながら、雨のために、肝心のジャージー種の牛の姿は、二頭が牧場の中 の小さな屋根の下に雨宿りしているのしか、見られなかった。 ちょうど時間 になり、牧場産の赤みの牛肉を、「ゴールデンバター」で鉄板焼きするのが自慢 のロッジ(一泊6,000円の由)で、ビーフ・カレーライスの昼食になる。 ソ フトクリームとコーヒーをご馳走になった。

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