「十薬」と「夏服」の句会2009/06/15 07:24

 11日は「夏潮」渋谷句会だった。 朝の内は雨だったのが、晴れたら暑くな って、半袖で出かけた。 兼題は「十薬」と「夏服」、「十薬」というのはドク ダミである。 私は、ちょっと軽い感じの次の七句を出した。

 草抜くや十薬の香のあたり満つ

 十薬のキリシタン墓囲みをり

 コンクリの隙間から生ひ十薬咲く

 十薬や内が抜いたらお隣も

 スカートを忘れて来たか夏の服

 夏服や吹き上がりさうでさにあらず

 白服やミナトヨコハマ百五十

 案の定、結果は厳しく、「キリシタン墓」を英主宰とけん詩さん、「内が抜い たら」を松子さん、「スカートを忘れて」を野梨壺さんが採ってくれただけだっ た。  〈十薬のキリシタン墓囲みをり〉を主宰は、墓は低い感じで、寝かせてある ような墓、それを十薬が取り囲んでいる、ある広さを感じさせて、おもしろい、 と評して下さった。 だいぶ前になるが、この時節に横浜の外人墓地の、生麦 事件で斬られたリチャードソンの墓を見学したことがあった。 奥の方という か、ウチキパンに近い所にある。 墓のまわりを十薬の花が取り囲んでいたのが、 印象的だった。 十薬の白い花は、あたかも小さな十字架を掲げているように 見えたからである。 それを詠もうとして、「キリシタン墓」の措辞にぶつかっ たのだった。