大変化の時代と「実学の精神」2009/06/21 06:41

人口問題は清家さんの研究テーマの一つ。 日本の65歳以上の高齢者は、 今年の大学新入生たちの生れた1990年頃、人口の1割を超えたところで、十 人で一人の高齢者を支えればよかったのが、今は人口の2割を超えた。 その 新入生たちが職業生活から引退を始める今世紀半ばには4割を超え、彼ら自身 が高齢者になる頃には5割を超して、一人で一人の高齢者を支えることになる。

 このような大変化の時代には、従来の考え方がそのままリニアに適用できな い。 構造パラメーターにも、シフトが生じる。 だから流動系パラメーター だけでなく、構造パラメーターまで立ち戻って、考えなければならない。 常 識や既存の概念が通用しなくなるので、ますます自分の頭で考える力が大切に なる。 新しい状況を正しく把握し、自らのなすべきことを的確に選択してい くこと。 これこそ、福沢の言うところの「実学の精神」の実践にほかならな い、と清家さんは言う。