短信「ある小さなスズメの生涯」の反響(1)2011/03/12 06:49

2月25日の<等々力短信 第1020号>「ある小さなスズメの生涯」、福沢 関係でなく、易しい話だったせいか、反響が多かった。 『ある小さなスズメ の記録』、5万部を突破したと、文藝春秋の広告にあった。

毎月、万年筆で書いた返信のハガキを下さるFさんは、長野市在住、帰宅時 に、カラスが二羽でスズメを捕まえているのを見て、すぐに追い払い、死んだ スズメを埋めて、石をのせておいたという。 家に入ったら、私の短信が届い ていて、びっくり。 「偶然か、因縁か、何か大きな力があったのか、不思議 でした」とある。

Fさんは、この三月に75歳になられたそうで、「ある小さなスズメの生涯」 の最後に、私が話を自らの老年期の生き方と重ねた部分に反応なさった。 岸 元首相の三訓に「転ぶな」「風邪ひくな」「義理を欠け」というのがあるけれど、 いずれも否定語で面白くない。 そこで、「歩け歩け」「人に多く会え」「文字を 自分の手で書け」は、いかがでしょうか、と。 現役時代からのFさんのモッ トーは、「書くことは大切」だそうだ。

 ほとんどはメールで済ませ、手で書いても、もっぱらステッドラーの水性ペ ンばかり、万年筆はずっと干からびさせている私は、少し反省したのであった。