上野吟行、浅草大黒家での句会2012/02/05 04:42

 句会場は、地下鉄で浅草まで移動して、以前も使ったことのある天婦羅の大 黒家別館(お菓子の梅園の並び)。 日曜日とあって、仲見世は歩きづらいほど の人出で、裏道を行く。 手前で皆さんが天婦羅を食べている、奥のテーブル をセットしてもらって、句会をする。 いつもながら、幹事・湯浅善兵衛さん の事前交渉力の賜物だ。 次の七句を出す。

闇市の親分然と寒吟行

正面に日浴び紅濃き寒牡丹

残雪を従へて咲く寒牡丹

猿山の猿も団子の寒さかな

老猿は毛繕ひさせ冬日向

冬の日に北極熊はよく歩き

子規記念球場レフト雪残る

 私が選句したのは、つぎの七句。 お二人を除き、各人の句を一句ずつ採っ ていたのは、偶然だが、見事な(?)選句であった。

チョコバナナ鬻(ヒサ)ぎ春待つしのぎかな  英

北斗星雪を抱きて上野駅          啓司

冬牡丹今を盛りと凛と佇つ         善兵衛

雪まるく溶けてをりけり寒牡丹       かおる

隙間風どころであらぬ蕎麦屋かな      祐之

懐手して子二人の父であり         秀俊

子規の名の球場ひそと春を待つ       洋太

   私の得票は、〈残雪を従へて咲く寒牡丹〉を英主宰・貴聖さん、〈猿山の猿も 団子の寒さかな〉をかおるさん・貴聖さん・秀俊さん、〈老猿は毛繕ひさせ冬日 向〉をかおるさん・善兵衛さん・秀俊さん、〈子規記念球場レフト雪残る〉を次 郎さん・秀俊さんが採って下さって、主宰選1句、互選9票の計10票と良好 だった。 動物園に入ったのがよかった。 初めてお目にかかった理工学部修 士課程の秀俊さんは、いい人だ。

 句会後、一杯やって歓談、色は濃いが、それほど辛くはない、例の天丼を食 う。 今度の『暮しの手帖』でホルトハウス房子さんも薦めていた、我が家の 好物「入山せんべい」に寄る。 元日に書いた親潮賞応募作で〈二の酉や堅焼 のみの煎餅屋〉と詠んだ店だ。 田原町から帰宅した。