王子稲荷二の午凧市へ2012/02/19 04:26

 15日は、二の午だった。 初午というのは聞くが、二の午は聞いたことがな かった。 2月3日が初午で、王子稲荷神社で凧市があり、火伏せのお札を出 しているのを、テレビのニュースでやっていた。 二の午の15日にも、凧市 が立つという、お酉様の一の酉、二の酉と同じわけだ。 ちょうど、俳誌の連 載「季題ばなし」に「凧」を取り上げた(掲載は4月)ところだったので、関心 を持った。 王子稲荷の凧市は、江戸時代からの行事で、江戸の華といわれた ほど火事が多く、熱風でしばしば大火となったことから、風を切って揚る凧を 火事除けのお守りにと、人々が同神社の奴凧を「火伏せの凧」として買い求め たことに始まるという。

 王子稲荷神社には、吟行などで来たことがあったが、王子駅からの道に露店 が並び、こんなに賑やかなのは初めてだ。 露店も、途中の葛餅屋さん他も、 午前中から結構活気がある。 凧市といっても揚げる凧を売っている訳ではな い。 神社が奴凧や狐の凧の御守を授け、境内に縁起物の玩具の凧を売る店が あるだけだ。 近所の保育園、幼稚園の子供たちが、頭に狐の面、(ある園は) しっぽをつけて、「子狐の行列」の幟を立ててやって来る。 火伏せのお札を頂 き、家内を名主の滝に連れて行く。 女滝と男滝、水量が豊富で、水もきれい だ。 すぐ先なのに、凧市お参りの人がほとんど訪れないのは、もったいない。  もちろん扇屋の玉子焼を買う。

 昼食をどこにするか決めていた。 野次馬夫婦は、前日テレビで見たシュウ マイと上海ヤキソバを、食べてみたかったのである。 王子からの南北線を後 楽園で三田線に乗り換え神保町へ、すずらん通りの揚子江菜館、106年前の明 治39年創業、周恩来も池波正太郎も通ったという店だ。 シュウマイも、上 海ヤキソバも、素朴な味でよかったし、おねえさんも料理の出方もテキパキし ていていい。 腹ごなしに神田まで歩いて、あちこちの老舗の場所を家内に教 え、福尾商店のあんみつを買って、昼寝前に帰って来た。 毎度ながら、伊豆 の天草という、ここの寒天はとても美味しい。