最晩年を豊かに過すための秘訣2023/06/21 07:05

 大塚宣夫さんの「いくつまで生きますか?」、4月号からは最晩年を豊かに過ごすためには、どうしたらいいかを考える。 ご自身は、昔から人生を豊かに過ごすための要素として、(1)気力(2)時間(3)仲間(4)お金、を考えてきたが人生の各ステージで、この四つの要素が同時に揃うことはなかなか難しい、という。

 最晩年の各要素、まず(1)気力。 何をするのも「億劫だ」と、引きこもり、寝たきりで8年を生きるか、これに抗(あらが)って、気合いを入れて行動するか。 後者を選ぶ。 たとえば、お誘いがあったら、即座に「行く」と答えること。 すでに義理としがらみは断捨離済みだから、乗り気でない相手ではないはずで、動き出せば何とかなるはずだ。 どうしても、その時になってイヤならドタキャンすればよく、高齢者だから周囲も大目に見てくれる。 それくらい気楽に構え、気力で体を引っ張っていく。 最晩年を豊かにすごすための第一の秘訣だ。

 5月号。 (2)時間、掃いて捨てるほどあるので、やりたいことを最優先し、好きなことに没頭し、行きたい場所へ行き、会いたい人に会うべきだ。 しかし、(3)仲間は、どんどん欠けてきて、一緒に遊んでくれる仲間を維持することは、本当に大変だ。 そこで、新しい仲間をつくる努力をしないといけない。 大塚さん自身は、70歳を過ぎてから、偶然に出会い、知り合った人の中から、素晴らしい仲間や友人が出来たそうだ。 仕事のしがらみを含め、何の利害関係もないから、まず気楽、しかし一緒にいて楽しく、元気になれるという。 「気力」でふれた、誘いがあったら万難を排し「行く」と答えて一歩踏み出して、出会った人達だった。

6月号、残るは(4)お金。 晩年の生活の質とお金は、あまりにも関係が深く、「老後の沙汰こそ金次第」といってもいいほどだ。 お金は使い方次第である。 晩年ともなると、生活を保つのに周囲の手を借りる場が急増する。 介護はその最たるもので、家族も含め他人の手を借りる。 大塚さんの提案は、お世話をしてもらったら、その場でありがとうの言葉とともにポチ袋方式でこまめに決済すること。 ポイントは、千円でもいいから、現金でその都度、手渡しすること。 お金は下手に残しても揉めるもと。 だったら、生きているうちに気持ちよく使い切ったほうがお互いのためだ、というのだ。

周囲や家族に負担をかけず、かつそれなりに良き余韻のうちに人生を閉じるために心がけるべきは、ここまで到達できたことに心底感謝し、支えてくれた世間に、周囲の人々に、家族に感謝の言葉を述べ続け、態度で示すしかないように思う。 感謝の心やそれに基づく言動は、周囲を明るく幸せにするのも確かだ。 残された人生の時間をそれにあてるのも悪くない、と終末期医療を専門とする大塚宣夫さんは、結論する。

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