「ひとり新聞」の楽しみ、晩年に豊かさを2023/07/15 07:04

 書くテーマに困らないか? 「好奇心の泉源、ヤジ馬の見本」の旗を立て、その時々の、主な関心事、面白いと思ったこと、心に触れたことを綴ってきた。 長くやっていると、何とかなるという気分がある。 常にアンテナを張っているので、「芋づる式」に関連する情報が飛び込んで来る。 心理学に「カラーバス効果」という概念があるそうだ、特定のことに意識を持ち始めると、それに関する情報が自然に集まるようになる。

 日頃、書き手は三流だけれど、読者は一流と、言っている。 いろいろなご縁でつながってきた、友人や先輩、たくさんの読者の方々に可愛がっていただいてきた。 2009年7月に「等々力短信1000号を祝う会」を友人たちが開いてくれた。 生前葬のような、楽しい会になった。 たくさんの方が「継続は力なり」といってくれたので、継続は人が集まってくれる力だと、挨拶した。 服部禮次郎さん、芳賀徹さん、天声人語の辰濃和男さんがスピーチしてくれた。

 「馬鹿の一つ覚え」というが、よく言えば「ブレない」で、「等々力短信」1,168号、ブログは8200編を越す勘定。 ずっと「量が質に転化するか?」と言ってきた。 最近、「定年クライシス」ということがいわれるが、若い時からずっと続けていたので、会社を畳んだ後も、すんなりと時間金持を満喫できた。 これだけ蓄積してくると、パソコンの検索機能もあって、「人生のインデックス」になっている。 長く続けているという事の中に、何かわからない力となるものがあって、自分の生活と人生にどれほど豊かなものをもたらしてくれているか、計り知れない。

 ビジネスモデルということばがあるが、一つの趣味のモデルを示すことができたか。

 「とりあえず生活の心配がなくて、役に立たないことを一生懸命やっているという状態が一番贅沢なんだ」と、南伸坊さんが言っていたことがあるが、今が一番贅沢な状態なので、できれば死ぬまでこのまま、うんうん押していきたいと思っている。