ホテルオークラ界隈、美の散歩 ― 2005/08/10 08:58
9日は、夏好例のホテルオークラの“アートは世界のこどもを救う”チャリティー・ イベント「秘蔵の名品 アートコレクション展」に行く。 今年は「きらめく女性たち ヨーロッパと日本」がテーマで、女性を描いた作品が70点、いつもと違う平安の間に 集められている。 テーマのせいか、企業より、各地の美術館所蔵の作品が多いようだ。 ルノワール、モネ、モディリアーニ、ドニ、ルオー、ピカソ、キスリング(前髪を垂らし た、あの目の)、カシニョール(黒柳徹子像)、岡田三郎助、岸田劉生、梅原龍三郎(一枚は 中村紘子像)、小磯良平、藤田嗣治、宮本三郎(ご近所の美術館所蔵の鰐淵晴子、雪村い づみ像も)、東郷青児(日本赤十字社蔵の看護婦の絵がいかにも東郷青児なのがおかしい)、 伊東深水、鏑木清方などなど。 良い絵、きれいな絵が多く、満足のいく展覧会だった。
この展覧会のチケットで、いつもの大倉集古館のほか、今年は泉屋(せんおく)博古館 分館にも入れる。 大倉集古館は「シルクロード 装いの美」展、古都サマルカンドや ブハラで宮廷や上流階級の嫁入り道具だった「スザニ」という綿に絹の刺繍をした布(一 見、絨毯のように見える)を、初めて見る。 世界に70枚しかない珍品を、イギリスの マイケル・フランシス・テキスタイル・ギヤラリーという所が50枚も持っているのだ そうだ。
「絵より桃花林」かもしれぬ冷し中華を食べて、泉屋博古館分館へ。 「金箔のあや なす彩りとロマン」と題した人間国宝・江里佐代子の截金(きりかね)の世界の展覧会だ った。 截金は、金箔を細かく切って貼り合わせ、幾何学的な模様を描く技法、なんと も細かい仕事だ。 日本伝統工芸展で、飾り筥などの截金の作品は見ていた。 飾り筥 に類する盆、棗、盒子(小箱)、香盒(香入れ)のほかに、截金を施した小さい鞠のようなも の、筒状のものを、組み合わせて、屏風、衝立、結界(衝立のごく低いもの)、額、仏像 や蓮弁の飾りなど、いろいろな作品を作っている。 日本的で、モダンな独特の美しさ だった。
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