家庭的な人物が、硬骨でもある面白さ2014/02/13 06:38

和田さん…(テレビのアシスタント・ディレクターの経験がある)合戦もの は金がかかる、現代ものの倍。 人目を驚かせないと、テレビに人は戻って来 ない。

磯田さん…小説はうらやましい。 官兵衛は天下を狙っていたか、その子、 長政の遺言状に、博多を領していたら天下の富は皆、ここに集まる、とある。  海の王者、黒田家、二人で話してないと文字に残さない、黒田だけに黒だろう。   

松本さん…いかにして国を取るかの戦国時代、軍師が必要とされる時代だっ た。

磯田さん…ここで軍師は、内閣参与を務めた松本さんだけ。 中曽根康弘さ んに30時間インタビューしたことがあるが、情報がどう上がってきたか、マ ルコス政権の崩壊時、拓殖大学の先生が新聞の切り抜きを持って来て、状況を 知ったという。 戦後の日本は、なってない。 江戸時代はよく出来ていた、 武士は軍事集団だったから。

松本さん…修身斉家治国平天下、道学(儒学)は国家統治の学問。 戦後、 学問がみんな自分のためのものになった、私の学問。 江戸は、社会にどう奉 仕するか、だった。 磯田さん…全体に対して責任を持つ教育が必要。 朝鮮 出兵では、人心が安定しないと治められないと、小西と加藤にどんどん攻めさ せる。 視点は高い人だったが、大河ドラマ『軍師官兵衛』朝鮮出兵をどう描 くのだろうか。

最後に、一言ずつ。 松本さん…戦国や幕末維新は、日本が国の形を変える、自分達の能力がどこ で発揮できるかという動乱の時代だった。 『播磨灘物語』は、日本が高度成 長にかかる1973~75年に書かれた。

和田さん…家庭的な人物が、硬骨でもある面白さ。

諸田さん…官兵衛が歴史に現れたのは、祖父、父の育てられ方による。 人 間が美しく生きるということを教えた。 人間で、人間が出来る。

磯田さん…司馬遼太郎記念館会誌『遼』2014年冬季号(第50号)の宮崎駿 さんの「司馬さんが生きててくれたら」が素晴らしい。 《バブルの頃、司馬 さんは「日本はみっともなくなりました」とおっしゃった。 「司馬さん、ま すますみっともなくなっています。こまりました」と、訊ねたい。 「名を惜 しみ、背筋をのばして生きなさい」「人間は度しがたいのです。高々と晴れあが った青空のような心をお持ちなさい」司馬さんの声が聞こえるようだ》、と。 最 悪のみっともなさの中で、生き残れたのが黒田の家族だった。