田口卯吉の経済政策思想2005/07/18 07:47

 16日は、慶應義塾福澤研究センターのセミナーがあった。 6月4日に竹森 俊平教授の「明治経済の隠されたドラマ―福澤諭吉対松方正義のたたかい―」 (6/11,6/12,6/13の日記参照)についでの会である。 講師は中村宗悦(むねよし) 大東文化大学経済学部教授で、テーマは「福澤諭吉の経済政策思想―田口卯吉 との比較を通じて―」。 中村宗悦教授は1961年生れ、早稲田大学政治経済学 部の出身で、最近では昭和恐慌、メディアと経済思想などを研究し、今年1月 『経済失政はなぜ繰り返すのか』(東洋経済新報社)を出している。

 話は難しく、私にはついていけなかった。 まず田口卯吉(1855-1905)を知ら なかったのが、ネックだった。 ちょっと調べると、田口卯吉は自由主義経済 主義者で1879年に『東京経済雑誌』を創刊、明治10年代前半の犬養毅の『東 海経済新報』(1880創刊)の保護貿易主義への批判は有名だという。

 中村宗悦教授は、竹森俊平教授の話にも出てきた、金本位制に移行すべきか どうかを検討した貨幣制度調査会(1893-1895、明治26-28)から話を始めた。  その調査会は最終段階で、田口が逆転賛成したため、8対7で金本位制は先送 りするという結論になった。(ここのところが、どうもよくわからなかった。 い ずれ勉強してみたい。)   だが松方正義には金本位制への確固たる意志があ り、2年後の1897 (明治30)年、松方は日清戦争による清国の賠償金によって、 金本位制移行を断行する。