井上ひさしさんの「俳句とはなにか」2005/07/20 09:27

 19日から、明治大学の“井上ひさし不連続講座”「俳句とはなにか、芭蕉と 一茶」に通い始めた。 20日と22日の三夜連続の講演である。 9月こまつ 座が『小林一茶』を再演するのに、同時にシアターコクーンで井上芝居『天保 十二年のシェイクスピィア』が蜷川幸雄演出、多彩なキャストで上演される。  それで『小林一茶』を宣伝するわけで、動機は不純だと笑わせる。

 「明治大学 不連続講座 「俳句」メモ その一」、井上ひさしさん自身がワ ープロで打ったというA4判縦書きの要旨が配られる。 第一夜は「俳句」の 基本的な話。 (一)五・七・五、十七字であること。(二)季を持つこと。(三)切 字。 それぞれに、正岡子規の『俳諧大要』からの引用がある。 面白いので、 引いておく。

 (一)「俳句をものせんと思はば思ふままをものすべし。巧みを求むるなかれ、 拙を蔽ふなかれ、他人に恥かしがるなかれ」 (二)「立冬一日後敢へて秋風と 詠むべからず、立夏一日後敢へて春月と詠むべからず」 (三)「文法切字など 一切無きものと心得て可なり」

 (一)と(三) は、まことにゆるくて、俳句を作ろうとする人は楽な気持になる。  (二)だけが厳しく、一日遅れても「べからず」という。 井上さんは、子規が 「俳句」の本質は「季」にありと睨んでいて、「季」を正確に使うことを求めた のだろうという。