圓太郎の「富久」2008/01/02 09:40

仲入前は、大ネタの「富久」を橘家圓太郎がやる。 ただ、前が真打昇進で 大喜びの笑志と、私までつい長くなった芸術祭新人賞受賞の三三(33)で、時 間が押していた。 「年の瀬ということで、そういう噺で」と、マクラ抜きで 「久さん、どこにいるんだ」浅草三間町になった。 しくじった旦那の家は、 芝でなく、日本橋石(こく)町。 千両富の場所は、椙森(すぎのもり)神社だから、 日本橋堀留。 一分ったら大金と、ふんどしのあたりから出して買った富の札 は「鶴の八八八番」。 酒好きで、酒を飲むとだらしなくなる久蔵、火事という ので駆けつけて、せっかく旦那に許されたのに、見舞いで来た一升ビンに、つ い目がいく。

 笑志と三三に集中したせいなのか、このあたりで珍しくひどく眠くなった。  圓太郎は、好きな噺家なのに、気の毒なことをした。 何年後の暮になるかわ からないが、次はじっくり時間をとって、トリで「富久」をやらせてみたい。