蟻は子供の頃からの友達 ― 2008/06/16 07:09
きのう書いた句会で、英主宰は、他人の句を読んで、そうだ、そういうこと もあった、と気付くところにも、俳句の楽しみがあるとおっしゃった。 私が 良さんの〈さつきから蟻を見てゐる柿の花〉を採ったのは、そういう経験が自 分にもあるからだった。 子供の頃、よく蟻を見ていた。 蟻を土といっしょ にサイダー瓶の中に入れておくと、巣を掘る。 管理が悪いと、黴てきて、気 の毒なことにもなるのだった。
毎年、蟻が庭に出歩く時期になると、家人が目の仇にして、蟻を退治するよ うに言う。 私は「蟻は、友達のいない子供の頃の、友達だったんだ」とか、 言を左右にして、なかなか実行しない。 今年も家人は、友達のところで成功 したそうな「アリメツ」というのを実験しろと言う。 蟻の好きな餌のような ものを置いておくと、蟻が巣に運んで、巣にいる仲間も一網打尽にするという。 例によって、ぶらかし策に出ていると、自分でそれをセットしていた。 成果 は不明である。 どうやら雨に流れたらしい。 蟻は平気な顔をして、歩いて いる。
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