「奴雁(どがん)の精神」2018/02/13 07:10

 七つ下の弟が古希になったというので、信じられない感じがする。 自分の 齢は勘定にない。 工学部の機械工学科を出て、鉄鋼機械の設計や、セールス・ エンジニアとしての海外勤務などもしてきたから、役に立つのだろう、古希に なっても現役で働いている。 会社で「奴雁」が話題になったのだそうで、ネ ット検索したら、私のブログの「奴雁(どがん)」福沢と前川日銀総裁<小人閑 居日記 2012. 4. 22.>が出てきたという。

http://kbaba.asablo.jp/blog/2012/04/22/

 なぜ話題になったかは、私には想像がついた。 長く取っていない日本経済 新聞が、たまたま宣伝用にポストに入れた1月31日朝刊の「交遊抄」が「奴 雁の精神」なのを、見たからだった。 木内登英(きうち・たかひで)野村総 合研究所エグゼクティブ・エコノミストが書いていた。 「奴雁(どがん)と いう言葉がある。雁(かり)の群が餌をついばむ時に、仲間が外敵に襲われぬ よう首を高くして周囲を警戒する一羽の雁のことだ。福沢諭吉が「学者は国の 奴雁なり」と説き、前川春雄・元日銀総裁も日銀職員のあるべき姿として好ん だ言葉だという。」 木内さんは、これを2014年に日銀を退行した日立製作所 の青木周平さんに教わったという。 好奇心旺盛で労をいとわない青木さんは、 「本当に奴雁はいるのか」と宮城県の越冬地を訪れ、奴雁の写真まで撮ってき たそうだ。 出会いは1990年、社会人4年目の木内さんがエコノミストとし てドイツに赴任したとき、青木さんは日銀の駐在員として活躍していて、ドイ ツやソ連の情勢を丁寧に教えてくれた。 20年あまりを経て、木内さんが日銀 審議委員になり、再び話を聞く機会ができた。 決済制度に精通し、金融イン フラの構築に尽力している姿に、こうした人たちが日本経済を支えているのだ と知ったという。 木内さんは、日銀の金融政策に反対票を投ずることもあり、 精神的にも苦しかったが、青木さんに教わった奴雁の言葉は支えだった。 日 銀は卒業したが、奴雁の精神は忘れず社会に貢献していきたい、と書いていた。

 弟は、歴史のある大きな会社から、技術的にも、経営的にも、経験が浅い会 社に移った。 誰かが問題点を先取りして、タイムリーにアドバイスすること が求められている。 まさに奴雁のような立場が必要なので、そう努めている のだという。

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