「アイランド留学」「清水交換」2006/08/30 07:54

 22日夜巨人戦の放送がなくて、BS2でやっていた映画をなにげなく見てしま った。 2002年『船を降りたら彼女の島』えひめ映画製作委員会、磯村一路監 督作品。 松山に近い瀬戸内海の島、東京の出版社に勤める久里子(25・木村佳 乃)が結婚する話をしに二年ぶりに帰郷するが、元校長の厳格な父(大杉漣)や母 (大谷直子)に言い出せない。 演劇をやっている松山での高校時代の友人や漁 師になっている小学校の同級生(照英)と会って、海と島のしまなみ海道、内子 座、道後温泉や新居浜市など、瀬戸内の風景の中を歩き回る内に、幼時の記憶 や小学校での初恋の思い出が、鮮烈に蘇る。 八幡浜あたりの川端の道で、木 村佳乃がお遍路さんとすれちがって、お辞儀するシーンもあった。

 初恋の男の子が、島の小学校にしては都会風なのだが、それは「アイランド 留学」という制度があって、四国本島の市から来ているからのようだった。 古い木造校舎に、「アイランド留学」の幕がかかっていた。 少し前のNHK「鶴瓶の家族に乾杯」に、春風亭昇太が上越市高田を訪れるのがあった。 昇太は静岡県清水の出身で、その清水と高田の間には「清水交換」「高田交換」という 中学生がお互いの町にホームステイをする交流制度があったという。 昇太は 自分の中学に来た可愛い女の子の名を憶えていて探すのだったが、お兄さんが 市役所にいることがわかり、番組の後半では、結婚して横浜に住むご本人もス タジオに登場した。 高田の町で聞くと、みんな「清水交換」を知っていて、 そこから生れたカップルも何組かあった。 中学時代のそうした体験は、鮮烈 な思い出を残す貴重な体験となるのだろう。 高田市が上越市高田となり、清 水が静岡市清水区になった今は、行なわれていないというのは、残念だ。 大 きくして、きめの細かいことができないというのでは、何のための大合併なの だろうか。