「柿の花」と「短夜」の選句と主宰評 ― 2008/06/15 07:08
「柿の花」と「短夜」の句会で、私が選句したのは次の七句だった。
宿下駄のすこし禿(ち)びをり柿の花 秋
また少しこぼれて柿の花に雨 松子
柿の花下校の子等の声弾み 松子
さつきから蟻を見てゐる柿の花 良
短夜や千鳥の型の釘隠 和子
雨あとの川を見に行く明易し 梓渕
短夜や眠れぬままに日記読む 幸雄
ほとんどが英主宰の選句にもあったのは嬉しかった(最後の幸雄さんの句は なかった)。 選句のほうは、まずまずか。 主宰の選評から。 〈宿下駄〉 きさくな宿、「すこし」でニュアンス出る。 〈また少し〉いろいろ詠み込んだ 句。 〈下校の子等〉は塀の外にいるのだろう、作者には見えていない、見て いるのは柿の花、耳と目のズレに面白さがある。 〈さつきから〉この前に問 答があったのだろう、「何、見ているの?」、屈託、鬱屈した部分のある子供の 感じ。 〈千鳥の型の〉旅の宿だろうか、いつもの寝床でないところで目が覚 めた、明け方の静かな時間帯。 〈雨あとの川を〉事情がわからないのも面白 い、読み手にいろいろと想像させるから、ある気分は出ている。 拙句〈短夜の二度の眠りに落ちてゆく〉だれにもこういう経験はある、よく 詠んで面白い、と無理矢理。
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