古今亭菊之丞「片棒」のマクラ2018/12/07 07:09

 菊之丞、紫色の羽織に、空色の縦筋の着物。 頼まれて落語会のプロデュー スをすることがある。 静岡県のホール、予算がたっぷりあるというので、小 三治師匠に聞いてみた。 一年前から決まっているという、マネージャーがそ うは言わないけれど、ちゃんちゃらおかしいという感じ。 さん喬、権太楼、 二人とも空いてた。 「行くよ」と。 800人のホールで、フタを開けたら350 人だった。 さん喬、権太楼、帰りませんね、沢田研二と違う。 9千人の会 場で7千人、寄席に2千人来たらどうなる、その有難みを知ってる。 池袋演 芸場、お客様と1対1ということがあった。 今の前座は、そういう経験はな い、10人ぐらいはいる。 1時開演で、1時になっても客がいない、楽屋には 師匠が7人。 2人来た、幕を開けたが誰もいない、消防点検の人だった。

 寄席では「三ボウ」、どろぼう、つんぼう、けちんぼう、の悪口を言ってもい い。 もっとも、お身内やご親類にいらっしゃったら、お詫びをしておきます。  けちんぼうのことを、赤螺屋(あかにしや)とか、六日知らずという。 赤螺 というのは、アカニシ貝、拳固を握ったような形で、なかなか殻を開かない。  六日知らずは、一日、二日と五日まで指を折るが、六日目の指を開かない。

 貞や、貞、釘を打つなら、隣から金槌を借りて来い。 何、貸してくれない、 しみったれたことを、家のを出して使いなさい。 扇子十年という、半分開い て五年使い、傷んだら、あとの半分を五年使う。 いいや孫の代まで使う方法 がある、首の方を振ればいい。 何でも貰う。 おならを、差し上げましょう。  ブッと一発。 つかんで行って、畑でかける。 ただの風よりまし。

一年、ご飯のおかずなし。 向かいが鰻屋で、今日は向かい風。 ご飯をよ そう、今日は美味しいね。 月末、鰻屋の使いが、これをと持って来た。 一、 一円五十銭也、鰻の嗅ぎ代。 お宅で嗅ぐから、タレの一度付けが、二度付け になった。 嗅いじゃったものは、仕方がない。 負けてくれ。 駄目。 細 かい金だ、耳だけ出しな、音だけ聞いて帰んな。

 東京は見栄っぱり、割り切っているのが、大阪、名古屋。 東京は「〆てい くら」、大阪は「割り勘でいくら」、名古屋は「払ってくれた人に何とお礼を言 おうか考える」。 これを名古屋でやったら、一番前の人が、「そんなこと、当 たり前だニャアモ」。

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