古今亭志ん陽の「宿屋の富」前半 ― 2019/02/25 07:09
志ん陽は太目、頭の両脇が少し白い、古今亭文菊との真打昇進襲名披露興行 を見たのは2012年9月だったから、6年半ほど経つけれど…。 志ん陽は太 陽の陽、こざと偏で、手偏ではない、手偏だと揚げ物みたいになっちゃう。 宝 くじのCM、バレンタインジャンボというのをやっている。 ジャンボが増え ましたね。 グリーンジャンボとか、オータムジャンボとか、油断していると、 勤労感謝ジャンボや、お彼岸ジャンボが出来るかもしれない。 1等賞に当た っても言わないけれど、1等賞に当たる確率は、雷に打たれる確率と同じなの だそうで…。 こういう話をしたら、雨の日に避雷針をかついで、買いに行っ た人がいる。
千両富、現在の1億円から1億5千万円でしょうか。 馬喰町の宿屋。 わ ざわざ、お前さんのところに泊めてもらった、少し先に番頭が泊る宿屋がある んだが、下にも置かないもてなしをするんで、わずらわしい。 奉公人が500 人、身の回りの世話をする女中が7、80人いて、はばかりに行くのも5、6人、 紙をもみながらついて来る。 退屈する方法を番頭に聞いたら、粗末な宿屋に 泊まって、心づけをやらないのがいい、と。 それで、お前さんのところに泊 めてもらうことにした。
有り過ぎるのも困る、あちこちの大名に十万両ずつ貸してあるが、利息なん て持って来るんだ。 いらないといっても、取っといて下さいと置いて行く。 玄関に利息の山が出来て、30人の番頭が数えているんだが、3年経っても数え きれない。 日向ぼっこしていたら、女中が菜を漬けていて、適当な沢庵石が ないというので、千両箱を使わせた。 出入りの職人が一つずつ持って行って、 その内に、みんな無くなったよ。 夜中に覆面をした盗賊が入って来て、長い ものを振り回して危なくてしょうがない、蔵へ連れて行ったんだが、10人ほど で一晩かかって、千両箱を80しか運べなかった。
手前どもは、宿屋のほかに、富の札を売っておりまして、明日、湯島天神の が、一枚残っております。 一分で当ると千両。 千両当たると、私が千両や るの? もらえるんです。 要らない。 まず当たるもんじゃない、大丈夫で す。 一分って、どういうお足? 小判しか使ったことがない。 一分のガクで す。 子供たちが、おはじきにしてるよ。 罰が当たる。 (懐をさぐって) これか。 もし、当ったら、半分上げるよ。 五百両…、当りますようにと、 一晩中、神様に願をかけています。 私はおまんま食べて、寝ちゃいますから。
なけなしの一分、取られちゃったよ。 飲むだけ飲んで、食うだけ食って、 逃げちゃおう。
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